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ドストエフスキー『悪霊』
はあ〜超おもしろかった これは名作




なんか最初はフェチに語り掛けるおもしろさで「ああ…ああ…おもしろい…おもしろい…」って感じだったんだけ読み終わると確実に「おもしろい!!おもしろかった!」ってなる これは名作ですわ…すごい…
なにより最後の文章が名作たらしめていると思う 「町の医師たちは、遺体を解剖したうえで、精神錯乱説を完全に、そして強く否定した。」っていうが…作中ずっとスタヴローギンはそのカリスマ性ゆえに誰からも正確に理解をしてもらえなかった感じだけど、この最期だけは精神錯乱のためでなく、自分の意思で自殺したということがわかってもらえてよかったと思う
この話は、個人的にはカリスマがそのカリスマ性ゆえに何もしていないのに誰からも崇められ、憎まれてそれにカリスマが耐えられず(?)自殺する話だと思った これほどのスタヴローギンというカリスマが、作中で新しく行われる事件にはなんらかかわりなく過ごし、しかしずっと事件の当事者や周囲の人間になにかしらの期待をかけ続けられていたのがこれまで読んだことのないものだった。カリスマが何も行わないってうのがね そして選んだのが精神錯乱ではなく確固たる意識から自殺を選び、実行したってのがすごい カリスマが自殺する話なんてないんじゃない?あらすじには「悪魔的人間」と書いていたけど、それほど「悪魔的人間」とはおもわなかったけれどな 確かに悪魔的に魅力的ではあったけど それよりピョートルお前だよお前…基本的にお前のせいじゃねーか!登場人物がいろいろな理由で死んでいく中、ピョートルだけ生き延びたのはいらっとしたけど、ピョートルにとっては死ぬよりもあれだけ信奉していたスタヴローギンがまさかキリーロフのように自殺したっていくことがなによりもひどい現実かもしれない スタヴローギンのような人物がまさか自分が生きている間にまた見つかるはずがないし、ずっとピョートルはスタヴローギンを追い続け、あこがれ続け、憎み続けるのかもしんないと思うと罪深いね…スタヴローギン…
ピョートルはスタヴローギンを偶像視していたわけで、おそらく多くの人がピョートルと程度の差はあれスタヴローギンを偶像視していたと思うんだよね だからピョートルのスタヴローギンへの告白が、作中におけるスタヴローギンの役割をまさに言い当てていると思う
「きみは自分が美男子だということを知っていますか!きみのいちばんいいところは、きみがどうかするとそのことを忘れている点なんです。(中略) ところがぼくは、偶像も愛するんだな!で、ぼくの偶像はきみなんです!きみは誰を侮辱するわけでもないのに、きみはみなから憎悪されている。きみは万人を平等に見ているのに、きみはみなから恐れられている、そこがいいところなんですよ。(中略)きみは自分の生命だろうと、他人の生命だろうと、そんなものを犠牲にするくらい屁でもない。きみはまさしく打ってつけの人物なんだな。ぼくに、必要なのは、ほかでもない。きみのような人間なんですよ。きみのほかには、ぼくはそういう人をだれも知りません。きみは頭領です、きみは太陽です、ぼくなんかはきみの蛆虫ですよ……」
ピョートルはスタヴローギンを偶像視しているならなおさらスタヴローギンをまきこんではいけなかったんだよね。アイドルは地上に降りてきては駄目なのに!今アイドルにはまっている身からしてみると、偶像は偶像のまま、地上に降りてこないのがいいのです。どちらにとっても。それを無理やり地上に引きずりおろして、勝手に自分の希望を押し付けるんだか、そらあスタヴローギンも自殺するよね… 偶像への期待は必ずしも偶像の本質ではないからね あーでもスタヴローギンは自殺することで、本当に地上にいなくなったことで残った人々にとってずっと偶像のままなのかな…それも罪深い…別にスタヴローギンはそんなつもりなかったんだけど
ああもうキリーロフと二人あの世で仲良くしてれば!?って思うんだけど、キリーロフはキリーロフで「死んだら神になる」だからなあ…あの世じゃあえないかなあ…
キリーロフも大好きなんです!初登場のときからずっと好きでした…安易に好きだからああいうのほんと 最高だぜ
キリーロフが自殺するのはいいんだけど、ピョートルのいうがままになっていらぬ罪をかぶるのはいやだなあと思っていたらなんか普通に冤罪だってばれたんでそれはそのままでいいです
てか、なぜキリーロフとスタヴローギンは友達同士のままでいられたのか?「ぼくはスタヴローギンのためにならないことは、いっさいきみにさせませんからね」って熱いいいいいいいいいいいまじキリーロフ熱かったからこれ 最高に興奮した
ピョートルとキリーロフのスタヴローギンの取り合い(は別にしていなかったとは思うけど)はキリーロフの勝ちだね…だって自殺しちゃったからね 一種キリーロフの主張通りになったわけだからね
キリーロフがなんで気違いと呼ばれ続けてるのか、よくわかんなかったけどあれはなるほど気違いですね でも好き あれはいい気違いじゃない?別に誰にも迷惑かけてないし ひたすら自分の思想に一生懸命だったわけで でスタヴローギンとの友情?もひとえにキリーロフが気違いでスタヴローギンを偶像視しなかったことにあると思うんだよね キリーロフはありのまま?のスタヴローギンを認めていたと思うし、結婚の証明人でもあったし決闘の介添人でもあったし、常にスタヴローギンが様々な人を選べる中でキリーロフを選んだって事実が熱いよね!!!!!!!!最高だぜ
そして問題になるのは二人の自殺の違いなんだ…キリーロフは前々から用意していたピストル自殺のために一瞬で死ねたけど、スタヴローギンは確固たる意志から首つり自殺を選び、実行したから絶命のその瞬間まで意識があったとうことだし なぜスタヴローギンはピストル自殺でなく首つり自殺を選んだのか?昔ペテルブルグにいたときはピストル自殺をしたがってたけど、首つり自殺も首つり自殺で「明らかにあらかじめ吟味して用意されていたもの」らしいし、まあそれは町から出ていたときに準備していたぽいけど、それでもなぜ首つり自殺を選んだのか。『だれをも咎むることなかれ、われみずからなり』という遺書もあることから、スタヴローギンはやっぱり精神錯乱のために自殺するのではなく、自分の意思で自殺を選んだということを伝えるのに必死だったのではないかな。ピストル自殺はそれこそ気の迷いともとられかねないし…ある程度の準備が必要な自殺方法は、それを訴えるのにうってつけだった。(町の医師たちがそう判断したように) ある程度苦しむような方法を選んだのは自分を罰したいからだったのか…
はあ…スタヴローギンが首つり自殺したというのに、なんだかそれは美しく死んだと思われるのはなんでなんだろうな?一般的に想像される首つり自殺よりはるかに美しく、彫刻的な美しさがあるように思えるんだけど、そうではないのかな 偶像が地におちて人間の肉体を持ったのか、反対に偶像が肉体を捨てて天上へむかったのか。私はどちらかというと後者で、スタヴローギンが死んだことで多くの人々にとっての偶像に昇華されたと思うんだけどどうだろう
あとやっぱり、あたりまえだけど、周囲の想像するスタヴローギンと実際のスタヴローギンの違いね。淫蕩の限りをつくしつつ、愛を求め、でもその愛さえ不完全なものに終わらなければならないスタヴローギン…実は彼は望んだものをひとつだって満足に得られたことはないんじゃないかなって思うくらい 女性からは勝手に愛されたけど、自分がほしがる女性からは恵まれなかったというか…そもそも本当に女性を欲していたのか、自分でも書いていたけど懐疑的だったんだろうけどな
「しかし、この力を何に用いるべきなのか――それが私にはついにわからなかったし、またスイスであなたの承認を受け、私がそれを真に受けたにもかかわらず、いまもってわからない。私はいまもって、いや、それ以前も常にそうだったのだが、善をなしたいという欲望を抱くことができ、そのことに満足感をおぼえる。と並んで悪をなしたいという欲望をもいだき、そのことにも満足感をおぼえる。しかし、そのどちらの感情も依然として常に底が浅く、かつて非情にのあったためしがない。私の欲望はあまりに力弱く、みちびく力がない。丸太に乗ってなら河を横切ることができるが、木っぱに乗ってではだめだ。」
これがスタヴローギンの常だったのかと思うと…彼は常に中立の感情と欲望しか持ちえず、どちらにも傾倒することができないのならば、結局その中立の上でどちらにも倒れることのない、吊られる首つり自殺しかなかったのではないか と思うよね そしてそうして首をみずからくくり、吊られつづけることで、みなはみなのアイドルスタヴローギンを作り上げ、死してからも偶像のままでいけないとなると スタヴローギンの安らぎやどこにあったのか?あるのか?という気持ちになる

まあつまりは、スタヴローギンとキリーロフがおせすぎるって話です…
おもしろかった
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